「洗礼名ってどんな意味があるの?」「女性らしい洗礼名を一覧で見てみたい」――そう思ったことはありませんか?
カトリックの洗礼を受ける際に授けられる「洗礼名(クリスチャンネーム)」は、信仰と人生の道しるべとなる大切な名前です。
特に女性にとっては、その名前の意味や由来、憧れの聖人の姿に思いを重ねながら選ばれることが多く、まさに“心の名前”ともいえる存在。
この記事では、女性に人気の洗礼名ランキングをはじめ、名前ごとの意味や由来、決め方のポイントまで詳しくご紹介します。
洗礼名の女性ランキングTOP20 | 意味と由来を解説
洗礼名の中でも、特に女性から人気のある名前をランキング形式で紹介します。
それぞれの名前には、どんな由来や意味があるのかも合わせて解説します。
1位〜5位|信仰・響き・意味で人気の名前
- マリア(Maria)
イエスの母。慈愛と献身の象徴。すべての洗礼名の中でも最も広く用いられ、母性的な優しさと深い信仰を表しています。 - テレジア(Theresia)
小さき花の聖テレーズ由来。謙遜と信頼を象徴。シンプルな信仰を大切にする人に選ばれることが多いです。 - クララ(Clara)
聖フランチェスコの弟子。清らかさと光の象徴。精神的な透明さや純粋な意志を表す名前として人気です。 - アグネス(Agnes)
純潔の殉教者。少女の守護聖人。若さと純粋さ、そして信仰を守り通す勇気を意味します。 - カタリナ(Catarina)
知恵と信仰の聖人。女性リーダーとしても知られる。論理的な思考と情熱を併せ持つ女性像に重ねられます。
6位〜10位|由来や聖人のストーリーが魅力
- セシリア(Cecilia)
音楽家の守護聖人。心の調和を表す。感性豊かで内面の美しさを大切にする人に選ばれます。 - アンナ(Anna)
マリアの母。家庭や母性の象徴。落ち着いた温かみのある信仰と安定感を備えた名です。 - ルチア(Lucia)
光をもたらす聖女。視力や目の守護者。暗闇に希望を灯す存在としての役割を感じさせる名です。 - マルタ(Martha)
実務的な信仰の象徴。家庭の守り手。愛情深く家庭を支える力強い女性像が重なります。 - ベアトリス(Beatrix)
幸福をもたらす人という意味を持つ。優しさと前向きさを兼ね備えた名前として根強い人気があります。
11位〜20位|ユニークだけど心を打つ洗礼名
- ジュリア(Julia)
聖なる若さと気品を兼ね備えた名。行動力と誠実さを持つ女性に。 - モニカ(Monica)
祈りと献身の聖人アウグスティヌスの母に由来。家族を想う深い愛が込められています。 - ヘレナ(Helena)
聖十字架の発見で知られる。歴史的背景が重く、探究心を大切にする人に。 - イレーネ(Irene)
ギリシャ語で「平和」を意味する。争いを避け、調和を求める女性にぴったりです。 - サラ(Sara)
旧約聖書に登場するアブラハムの妻。信仰に根差した希望と母性の象徴です。 - ソフィア(Sophia)
神の知恵を意味する。理性的で洞察力に優れた女性像を連想させます。 - ベロニカ(Veronica)
イエスの顔を拭った女性の伝承より。共感と勇気の象徴的存在です。 - レア(Lea)
旧約聖書のヤコブの妻のひとり。誠実さと忍耐の美徳を表します。 - ユーフェミア(Euphemia)
ギリシャ語で「よい言葉」を意味し、殉教した聖人。柔らかくも芯の強さを持つ人に好まれます。 - フィリパ(Philippa)
馬を愛する者という意味を持ち、活発で自由な精神を表す名です。
テーマ別に女性の洗礼名を一覧で紹介

洗礼名には、名前ごとに異なる美しい意味が込められています。
以下では、テーマ別に女性向けの洗礼名を一覧で紹介します。
やさしい意味を持つ洗礼名
- マリア(慈愛)
イエスの母として、無償の愛と優しさを象徴する最も有名な洗礼名のひとつ。 - アンナ(恵み)
マリアの母とされ、穏やかで寛大な心を表す優しい名前。 - アグネス(純潔)
若くして信仰のために命を捧げた聖女。純真な心を持つ女性にぴったりです。 - イレーネ(平和)
争いを避け、調和を大切にする心を象徴するギリシャ語由来の美しい名。 - グレイス(恵み)
神の恩寵を意味し、上品さと穏やかさをあわせ持つ名として人気。
勇気や強さを象徴する洗礼名
- カタリナ(堅固な信仰)
知性と精神力を兼ね備え、どんな困難にも信仰を持って立ち向かった聖人の名。 - マルタ(勤勉と献身)
家族のために献身的に尽くした姿勢が評価され、働き者の象徴とされています。 - ベロニカ(勇気ある行動)
イエスの顔を拭ったという伝承から、恐れずに愛を表す勇敢さのシンボル。 - ジュリア(若さと力強さ)
明るくエネルギッシュな女性にぴったりな、活力ある印象の名。 - ジョアンナ(神の情け深さ)
福音書に登場するイエスの支援者のひとりで、信仰に根ざした行動力を表します。
愛・希望・信仰を表す洗礼名
- ソフィア(神の知恵)
知性と精神性を重んじる女性に好まれる、哲学的で深みのある名。 - セシリア(心の音楽)
音楽家の守護聖人であり、内面的な調和や美しさを大切にする心を表す。 - ルチア(光)
暗闇の中に希望の光をもたらす存在。視力の守護聖人としても知られています。 - クララ(透明さ・明快さ)
曇りのない信仰と澄んだ心を象徴する、清らかな響きの名前。 - フェイス(信仰)
そのまま「信仰」を意味し、信じる力を大切にする女性に選ばれています。
洗礼名の由来による分類

洗礼名はその由来によって、以下のようなタイプに分けることができます。
聖書に登場する人物名
マリア、アンナ、サラ、レア など。
旧約・新約聖書に登場する人物は、神に忠実であった女性たちであり、その名を通して信仰の物語に参加することができます。
特に旧約聖書に登場する女性たちは、長い歴史の中で女性の信仰と役割を象徴してきました。
殉教者・聖人の名前
アグネス、テレジア、クララ、ルチア など。
数々の苦難を乗り越え、信仰を守り通した聖人の名は、勇気と強さ、自己犠牲の精神を象徴します。
殉教者の生涯や奇跡に感銘を受けて名前を選ぶ方も多く、自分自身の信仰を深めるきっかけになります。
天使に由来する名前
ガブリエラ(Gabriella)、ミカエラ(Michaela)など。
天使ガブリエルやミカエルにちなんだ名前で、神の使いとしての役割や守護の象徴を表します。
天使のように人を導く存在になりたいという願いを込めて選ばれることが多く、霊的なつながりを意識した洗礼名です。
キリスト教的美徳にちなんだ抽象的な名前
フェイス(信仰)、グレイス(恩寵)、ホープ(希望)など。
美徳そのものを表すこれらの名前は、信仰生活において大切にしたい価値観を常に思い出させてくれます。
特に英語圏では、これらの抽象名が広く用いられており、モダンでありながらスピリチュアルな印象を与えるのも特徴です。
ギリシャ語・ラテン語由来の象徴的な名前
ソフィア(知恵)、イレーネ(平和)、ユーフェミア(良い言葉)など。
古典的な響きを持つこれらの名前は、哲学的な意味合いや文化的背景も含んでおり、知的で優雅な印象を与えます。
言葉の響きと意味の両方を重視する方におすすめです。
地域や文化に根差した名前
ローザ(イタリア語で「バラ」)、エリサ(スペイン語由来の名)、ブリジット(アイルランドの守護聖人)など、各国のキリスト教文化に根差した名前も洗礼名として人気です。
自分のルーツや憧れる文化圏の聖人にちなむ名前を選ぶことで、より個人的で意味深い名前となります。
洗礼名とは? | カトリックとプロテスタント、正教会の違い

以下では、洗礼名やカトリックとプロテスタント、正教会の違いについて解説します。
そもそも洗礼名とは?
洗礼名とは、カトリック教会において洗礼の際に授けられる霊的な名前です。
通常、聖書や聖人に由来する名前を選ぶことが多く、その名前を通して神とのつながりや信仰の証を表すとされています。
これは新しい人生のスタートを象徴する意味もあり、名前を通して聖人の生き方や信仰の模範に近づこうという願いが込められています。
なお、洗礼名は「クリスチャンネーム(Christian name)」とも呼ばれます。
教会内ではこの名前で呼ばれることもあり、信仰生活のなかで特別な意味を持ちます。
カトリックにおける洗礼名
カトリックでは、洗礼名は霊的な家族に迎え入れられる象徴であり、教会共同体の一員として歩み出すための重要な印です。
洗礼名は、聖人の加護を願うと同時に、その聖人のように信仰を深めるという決意の表れでもあります。
多くの信徒は、守護聖人に祈りを捧げ、人生のあらゆる局面で導きを求める存在として、洗礼名を大切にしています。
プロテスタントにおける洗礼名
一方で、プロテスタント(特に福音派や改革派など)では、洗礼時に新たな名前を授ける慣習は一般的ではありません。
個人の信仰告白を重視する傾向が強いため、洗礼は「信仰の表明」であり、名前に特別な変更を加えることは少ないです。
ただし、洗礼名の文化を尊重し、聖書に登場する名前や信仰的意味を持つ名前を日常で選ぶケースも見られます。
正教会における洗礼名
正教会(東方正教会)でも、洗礼名は重要な霊的アイデンティティとされています。
洗礼の際に新しい名前が授けられることが一般的で、カトリック同様に聖人や殉教者の名から選ばれます。
特に正教会では、洗礼名とともにその聖人の祝日や生涯に深く関わることが奨励されており、名付けられた信徒は自分の守護聖人に祈りを捧げ、模範とすることが勧められています。
また、正教会では毎年「名前の日(名祭日)」を祝う文化が根づいており、誕生日とは別に、守護聖人の記念日を特別な祝日として家族や教会で祝うことも多いです。
洗礼名の決め方のポイント【女性編】
洗礼名をどう選べばよいか、初めての方は迷うことも多いと思います。
以下では、女性に多い決め方のポイントをご紹介します。
聖人の生き方から決める
たとえば、貧しい人を助けた聖クララや、病人を癒やした聖テレジアのように、「こんな風に生きたい」と思える聖人の名前を選ぶ方が多いです。
名前の意味や響きで決める
意味に共感できるか、響きが自分らしいかも大切なポイント。
「平和」「光」「恵み」など、自分が大切にしたい価値観を反映する名前もおすすめです。
信仰や人生観と重ねて考える
自分の信仰スタイルやこれから歩んでいきたい人生と、洗礼名の意味を重ねてみると、よりしっくりくる名前が見つかります。
まとめ|洗礼名は「信じる心」をカタチにした名前
洗礼名は単なるラベルではなく、その人の信仰や人生の方向性を映し出すものです。
そこには、選んだ聖人への憧れや、人生を通して大切にしたい価値観、信仰を深めたいという意志が込められています。
意味や由来を知ることで、その名前に対する想いは一層深まり、日常の祈りや困難に立ち向かう際にも、心の支えとなる存在になるでしょう。