十二使徒の名前は、キリスト教の広がりとともに各地へ伝えられ、さまざまな言語で親しまれてきました。
同じ人物を指す名前であっても、英語やスペイン語、フランス語などでは、スペルや読みが大きく異なることがあります。
こうした違いを知ることで、聖書由来の名前がどのように受け継がれてきたのかが、より立体的に見えてきます。
この記事では、十二使徒の名前を言語別に一覧で比較しながら、それぞれの名前が持つ広がりをわかりやすく整理します。
洗礼名や外国語名に関心のある方にも役立つ内容として、基本的なポイントをまとめていきます。
十二使徒とは?名前が多言語で伝わってきた理由
十二使徒とは、イエス・キリストに直接従った十二人の弟子たちを指します。
彼らは、イエスの教えを各地に伝える役割を担い、初期キリスト教の基盤を形づくりました。
その過程で、使徒たちの名前もまた、信仰とともにさまざまな地域へと広がっていきました。
聖書はもともとヘブライ語やギリシャ語で記され、その後ラテン語へと翻訳されました。
さらに、キリスト教がヨーロッパ各地や東方へ伝わる中で、各土地の言語や発音に合わせて、名前の形も変化していきました。
このため、同じ使徒であっても、英語・スペイン語・フランス語などでは異なるスペルや読みが用いられています。
名前の違いは別人を意味するものではなく、信仰が多様な文化の中で受け入れられてきた証といえるでしょう。
十二使徒の名前を言語別に一覧で比較
十二使徒の名前は、同じ人物であっても、言語や地域によって異なる形で伝えられてきました。
英語やスペイン語、フランス語などでは、発音や綴りが変化し、それぞれの文化の中で定着しています。
ここでは、主要な使徒の名前について、代表的な言語ごとの表記を一覧で比較します。
| 使徒名 (日本語) | 英語 | スペイン語 | フランス語 | ドイツ語 | イタリア語 | ロシア語 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ペトロ | Peter (ピーター) | Pedro (ペドロ) | Pierre (ピエール) | Petrus (ペートルス) | Pietro (ピエトロ) | Пётр (ピョートル) |
| アンデレ | Andrew (アンドルー) | Andrés (アンドレス) | André (アンドレ) | Andreas (アンドレアス) | Andrea (アンドレア) | Андрей (アンドレイ) |
| ヤコブ(大) | James (ジェームズ) | Santiago (サンティアゴ) | Jacques (ジャック) | Jakobus (ヤーコブス) | Giacomo (ジャーコモ) | Иаков (イアコフ) |
| ヨハネ | John (ジョン) | Juan (フアン) | Jean (ジャン) | Johannes (ヨハネス) | Giovanni (ジョヴァンニ) | Иоанн (イオアン) |
| フィリポ | Philip (フィリップ) | Felipe (フェリペ) | Philippe (フィリップ) | Philippus (フィリップス) | Filippo (フィリッポ) | Филипп (フィリップ) |
| バルトロマイ | Bartholomew (バーソロミュー) | Bartolomé (バルトロメ) | Barthélemy (バルテレミ) | Bartholomäus (バルトロメウス) | Bartolomeo (バルトロメオ) | Варфоломей (ヴァルフォロメイ) |
| トマス | Thomas (トーマス) | Tomás (トマス) | Thomas (トマ) | Thomas (トーマス) | Tommaso (トンマーゾ) | Фома (フォマ) |
| マタイ | Matthew (マシュー) | Mateo (マテオ) | Matthieu (マチュー) | Matthäus (マテウス) | Matteo (マッテオ) | Матфей (マトフェイ) |
| ヤコブ(小) | James the Less (ジェームズ) | Santiago el Menor (サンティアゴ) | Jacques le Mineur (ジャック) | Jakobus der Jüngere (ヤーコブス) | Giacomo il Minore (ジャーコモ) | Иаков Младший (イアコフ) |
| タダイ(ユダ) | Jude (ジュード) | Tadeo (タデオ) | Jude (ジュド) | Thaddäus (タデウス) | Taddeo (タッデオ) | Иуда (イウダ) |
| シモン | Simon (サイモン) | Simón (シモン) | Simon (シモン) | Simon (ジーモン) | Simone (シモーネ) | Симон (シモン) |
| マティア | Matthias (マサイアス) | Matías (マティアス) | Mathias (マティア) | Matthias (マティアス) | Mattia (マッティア) | Матфий (マトフィー) |
(注)十二使徒の一覧には、イエス・キリストを裏切ったとされるイスカリオテのユダは含めていません。
その死後、使徒の欠員を補う形で選ばれたのがマティアであり、現在はマティアを含めて十二使徒と数えられています。
洗礼名として選ばれやすい使徒名の特徴
十二使徒の名前は、洗礼名としても長く受け継がれてきました。
その中でも、特に選ばれやすい名前には、いくつかの共通した特徴があります。
ここでは、洗礼名として親しまれてきた使徒名の傾向を整理します。
まず挙げられるのは、聖書の中での登場回数が多く、人物像がわかりやすい使徒の名前です。
ペトロやヨハネ、パウロのように、役割や生き方が明確に伝えられている名前は、信仰の模範として選ばれやすい傾向があります。
次に、意味が前向きで象徴性の高い名前が好まれてきました。
「岩」「神は恵み深い」「小さい者」といった意味を持つ名前は、信仰の姿勢や生き方と結びつけやすい点が特徴です。
また、言語による表記の幅が広いことも、洗礼名として用いられやすい理由の一つです。
各国語に自然な形が存在する名前は、文化や地域を越えて受け入れられやすく、長く使われてきました。
洗礼名を選ぶ際には、こうした特徴を踏まえながら、自分が大切にしたい価値観と重ねて考えることが大切です。
各使徒の詳しい意味を知りたい方へ
十二使徒の名前には、それぞれ異なる人物像や、洗礼名として受け継がれてきた意味があります。
一覧で全体像をつかんだうえで、気になる使徒について、より詳しく知りたいと感じる方も多いでしょう。
ここでは、各使徒の人物像や名前の由来を解説した個別記事を紹介します。
- 聖ペトロとは?洗礼名としての意味と由来をわかりやすく解説
- 聖ヨハネとは?洗礼名としての意味と由来をわかりやすく解説
- 聖アンデレとは?洗礼名としての意味と由来をわかりやすく解説
- 聖マタイとは?洗礼名としての意味と由来をわかりやすく解説
それぞれの記事では、聖人の生涯や象徴、名前に込められた意味を、洗礼名という視点から丁寧に解説しています。
自分の関心や洗礼名選びの参考として、あわせてご覧ください。

