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アメリカ合衆国の州名の由来や意味をタイプ別に解説

アメリカ合衆国の地図 名前
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現在、アメリカ合衆国は50の州と1つの特別区からなっていますが、その州名は多種多様な言語からなり変化に富んだものとなっています。

その理由は先住民族のインディアンの言葉に英語をはじめヨーロッパの言語が用いられているためであり、それぞれの言語が発音や綴りに影響を与えており独特の雰囲気が感じられます。

この記事ではアメリカの州名の由来や意味を歴史的な背景などを交えながら紹介しています。

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アメリカの州名の由来や意味を言語別に解説

ここではアメリカの州の名前を、インディアン語、英語、スペイン語、フランス語など言語によって分類し、その由来や意味を解説します。また併せて州の成立年度や略称、愛称なども紹介しています。

インディアン語に由来する州名

 

アメリカ合衆国の50の州名のうち、先住民族のインディアンの言語に由来するものは27州と半数以上を占めています。インディアン語に由来する州名の特徴としては、次の2つがあげられます。

独特の綴りで表現され、総じて響きがよい
元来インディアンの部族は文字を持っていませんでした。そのため彼らの発音はアメリカにやって来たヨーロッパ人に誤解され、州名の綴りはかなり変形された表記になっています。インディアン語の州名には、とりわけスペイン語やフランス語の影響を強く受けて変化と彩りを持つものが多くあります。

部族名や川・湖の名前に由来するものが多くある
部族名は彼らの住んでいた村や近くの川の名前に転用され、しだいにその流域名、準州名、州名へと発展していきました。部族名やインディアン全体に由来する州名は11州、川や湖を描写した州名は8州を数えます。

それではインディアン語に由来する州名をアルファベット順に紹介していきます。

・アラバマ(Alabama)

略称:Ala.
愛称:南部の中心地(Heart of Dixie)
州都:モントゴメリー(Montgomery)
成立:1819年(第22番目)

州名のアラバマはチョクトー族の言葉で「茂みを開く人」という意味を持つ「alba+amo」に由来しています。またクリーク・インディアンの一部族名に由来しているという説もあります。この地域を流れる川の名前(アラバマ川)としても採用されました。

・アラスカ(Alaska)

略称:Alas.
愛称:最後のフロンティア(Last Frontier)
州都:ジュノー(Juneau)
成立:1959年(第49番目)

州名のアラスカはアレウト・インディアン語の「Alanshak」に由来し「本土」という意味があります。1867年アメリカはアラスカをロシアから720万ドルで買収しました。

・アリゾナ(Arizona)

略称:Ariz.
愛称:大渓谷の州(Grand Canyon State)
州都:フェニックス(Phoenix)
成立:1912年(第48番目)

州名のアリゾナはピーマ・インディアン語の「arizonac」に由来し、「小さな泉」という意味があります。この地域は歴史的にスペイン領であったため、州名もスペイン語の影響を受けています。

・アーカンソー(Arkansas)

略称:Ark.
愛称:機会を与えてくれる国(Land of Opportunity)
州都:リトル・ロック(Little Rock)
成立:1836年(第25番目)

州名のアーカンソーはクワポー部族の名「Ugakhpah」にちなんでおり、フランス人の記録では「Arkansea」という部族と村の名前がありました。この地域は歴史的にフランス領であったため、フランス風の発音が残っています。

・コネティカット(Connecticut)

略称:Conn.
愛称:厳格な法律の州(Blue Law State)
州都:ハートフォード(Hartford)
成立:1788年(第5番目)

州名のコネティカットはモヒカン族の言葉の「Quonehtacut」に由来し、「長い川」という意味があります。このコネティカット川は植民地名そして州名に採用されました。

・アイダホ(Idaho) 略称:Ida.

愛称:ジャガイモの州(Spud State)
州都:ボイシー(Boise)
成立:1890年(第43番目)

州名のアイダホはショショーニ・インディアン語で、「Ee(降りてくる)+dah(太陽または山)+how(感嘆詞)」の合成語に由来し、「見よ!太陽が山から降りてくる!」という意味があります。

・イリノイ(Illinois)

略称:Ill.
愛称:リンカーンの国(Land of Lincoln)
州都:スプリングフィールド(Springfield)
成立:1818年(第21番目)

州名のイリノイはイリニ族の部族名を表す「inini」に由来し、「教養のある立派な人々」という意味があります。
1692年この地域に最初に入植したのがフランス人であったため、イリノイの綴りと発音にはフランス語の影響が残っています。1763年フランスはイギリス軍との戦いに敗れ、この地域を割譲。1783年独立戦争の終了後アメリカ領となりました。

・アイオワ(Iowa)

略称:Ia.
愛称:トウモロコシの州(Corn State)
州都:デ・モイン(Des Moines)
成立:1846年(第29番目)

州名のアイオワはアイオワ族の部族名を表す「Quaouiatonon」に由来しており、これが短縮、変化したもので、この部族名は川名、州名として採用されました。「美しい土地」、「ものを書く道具」などさまざまな意味があるようです。

・カンザス(Kansas)

略称:Kan.
愛称:ヒマワリの州(Sunflower State)
州都:トピーカ(Topeka)
成立:1861年(第34番目)

州名のカンザスはスー・インディアン語の「Kansa」に由来し、「南風の人々」という意味があります。この部族名は川名、州名として採用されました。

・ケンタッキー(Kentucky)

略称:Ken.
愛称:サラブレッドの故郷(Home of Thoroughbreds)
州都:フランクフォート(Frankfort)
成立:1792年(第15番目)

州名のケンタッキーはワイアンドット・インディアン語の「ken-tah-teh」に由来し、「明日の土地」という意味があります。もしくはイロコア族の言葉で「ken-take」に由来し、「牧草地」という意味があります。

・マサチューセッツ(Massachusetts)

略称:Mass.
愛称:古き植民地(Old Colony)
州都:ボストン(Boston)
成立:1788年(第6番目)

州名のマサチューセッツはアルゴンキン・インディアン語の「massa+chuset」に由来し、「大きい丘」という意味があります。この丘はボストン南部のブルー・ヒルズを指すといわれています。

・ミシガン(Michigan)

略称:Mich.
愛称:五大湖の州(Great Lake State)
州都:ランシング(Lansing)
成立:1837年(第26番目)

州名のミシガンはミシガン族の部族名を表す「mitchisawgyegan」という合成語に由来し、「大きい湖」という意味があります。これはミシガン湖を指しているといわれており部族名が州名として採用されました。

・ミネソタ(Minnesota)

略称:Minn.
愛称:スカイ・ブルーの水の国(Land of the Sky-blue Waters)
州都:セント・ポール(St.Paul)
成立:1858年(第32番目)

州名のミネソタはダコタ・インディアン語の「Minne+sota」に由来し、「水+空を写す」という意味があります。
これは、ミネソタ州には12,000以上の湖があることから、空の色を写す湖水のことを指していると思われます。ミネソタという州名はミネソタ川から転用されました。

・ミシシッピー(Mississippi)

略称:Miss.
愛称:マグノリアの州(Magnolia State)
州都:ジャクソン(Jackson)
成立:1817年(第20番目)

州名のミシシッピーはアルゴンキン・インディアン語で「mescha+cebe」という合成語に由来し、「偉大な(父なる)+川」という意味があります。また五大湖付近のインディアンはこの川の上流部分をMessipi(大河)と呼んでいたため、フランスの探検隊は上流の地名を拡大して川全体を表す地名としました。州名はこのミシシッピー川からとられています。

・ミズーリ(Missouri)

略称:Mo.
愛称:西部の母(Mother of West)
州都:ジェファーソ・ンシティ(Jefferson City)
成立:1821年(第24番目)

州名のミズーリはアルゴンキン・インディアン語で、ミズーリ族の部族名を表す「Missouri」に由来し、「カヌーの入り江」という意味があります。ミズーリという州名は部族名が川名、地方名、準州名、州名へと発展したものです。

・ネブラスカ(Nebraska)

略称:Neb.
愛称:コーンハスカーの州(Cornhusker State)
州都:リンカーン(Lincoln)
成立:1867年(第37番目)

州名のネブラスカはオマハ・インディアン語の「ni-(water)+bthaska(flat)」に由来し、「横に広がった平らな川」という意味があります。この地域を流れるネブラスカ川が州名として採用されました。

・ニューメキシコ(New Mexico) 略称:N.M.

愛称:魅惑の州(Land of Enchantment)
州都:サンタ・フェ(Sant Fe)
成立:1912年(第47番目)

州名のニューメキシコのメキシコはアズテク・インディアン語で「Mexitel+-co」という合成語に由来し、「戦いの神Mixitelのましますところ」という意味があります。これに英語のNew(新しい)を付けたものです。

・ノースダコタ(North Dakota)

略称:N.D.
愛称:ダコタ族の土地(Land of Dakotas)
州都:ビスマーク(Bismarck)
成立:1889年(第39番目)

州名のノースダコタはダコタ族の部族名を表す「Dakota」に由来し「友人、味方」という意味があります。これに方位を示す英語のNorth(北)を付けたものです。
歴史的にみるとノースダコタには1813年カナダからスコットランド高地人が移住し、1872年鉄道の開通に伴いヨーロッパ各国からの移民により農業が発展しました。ドイツとスエーデンからの移民者が多かったため、州都はドイツの初代宰相ビスマークにちなんで命名されました。

・サウスダコタ(South Dakota)

略称:S.D.
愛称:双子の州(Twin States)
州都:ピア(Pierre)
成立:1889年(第40番目)

州名のサウスダコタはダコタ族の部族名を表す「Dakota」に由来し「友人、味方」という意味があります。これに方位を示す英語のSouth(南)を付けたものです。
歴史的には、サウスダコタは当初フランス人によってミズーリ川を利用した毛皮の交易により発展しました。1874年と1876年には相次いで金鉱が発見され全米一の金の産出量を誇っています。

・オハイオ(Ohio)

略称:Ohio.
愛称:大統領の母の州(Mother of Presidents)
州都:コロンバス(Columbus)
成立:1803年(第17番目)

州名のオハイオは、イロコイ・インディアン語の「oheo」に由来し、「美しい川」という意味があります。この地域を流れる川はフランスの探検家によってオハイオ川と命名され、地域名、州名へと発展、採用されました。

・オクラホマ(Oklahoma)

略称:Okla.
愛称:赤い人々(インディアン)の国(Land of the Red People)
州都:オクラホマ・シティー(Oklahoma City)
成立:1907年(第46番目)

州名のオクラホマはチョクトー・インディアン語の「Okla(人々)+homma(赤い)」に由来し、「赤い人々」という意味があります。つまりインディアンの皮膚や顔の色から付けられた州名といえます。

・オレゴン(Oregon)

略称:Ore.
愛称:ビーバーの州(Beaver State)
州都:セーレム(Salem)
成立:1859年(第33番目)

州名のオレゴンはショショーニ・インディアン語で「ogwa(川)+pe-on(西の)」という合成語に由来し、「西の川」という意味があります。西の川とはかつてOregon Riverと呼ばれていた川を指し、これから州名として採用されました。

・テネシー(Tennessee)

略称:Tenn.
愛称:志願兵の州(Volunteer State)
州都:ナッシュビル(Nashville)
成立:1796年(第16番目)

州名のテネシーはチェロキー族の町の名前の「Tanasi」に由来しています。意味としては「大きく曲がった川」であるとする説があります。この名前がテネシー川、テネシー州として採用されました。

・テキサス(Texas)

略称:Tex.
愛称:ロング・ホーン牛の州(Longhorn State)
州都:オースティン(Austin)
成立:1845年(第28番目)

州名のテキサスはインディアン語の「tejas」に由来し、「友人」という意味があります。これが現在のテキサス州を含むリオ・グランデ川の北の地域一帯をさす地名となりました。

・ユタ(Utah)

略称:Ut.
愛称:モルモン教徒の国(Land of Mormons )
州都:ソールト・レーク・シティ(Salt Lake City)
成立:1896年(第45番目)

州名のユタはユート族の部族名を表す「Ute」に由来し、「山頂」、「太陽の国」などの意味があり、この部族名が川名、州名へと採用されました。

・ウィスコンシン(Wisconsin)

略称:Wis.
愛称:アメリカの酪農の国(America’s Dairyland)
州都:マディソン(Madison)
成立:1848年(第30番目)

州名のウィスコンシンはインディアン語の「Mescounsing」に由来し、「大きく長いところ」という意味があります。これがウィスコンシン川、ウィスコンシン州として採用されました。

・ワイオミング(Wyoming)

略称:Wyo.
愛称:平等の州(Equality State)
州都:シャイアン(Cheyenne)
成立:1890年(第44番目)

州名のワイオミングはアルゴンキン・インディアン語の「mecheami-ing」に由来し、「大平原」という意味があります。これはペンシルバニア州のWyoming Valleyにちなんで命名されました。

英語に由来する州名

 

アメリカ合衆国の州名のうち14州が英語に由来するものです。これらの州はほとんどが英国の植民地であった大西洋沿岸の地域に集中しています。

英語に由来する州名の特徴としては、英国の王室、貴族、植民地総督を記念したものが8州と最も多く、次いで英国の地名にNewをつけて新天地であることを表したものが2州あります。

またイギリスから入植した人々の宗派によって命名における考え方に大きな違いが見られます。
南部の大西洋岸の諸州に入植した王党派の人々は、州名には英国の王や王妃、植民地の総督や貴族にちなんで命名することが一般的でした。それに対し北部大西洋岸の諸州に入植した清教徒は、特定の人物を記念した命名を行わないという習慣がありました。

それでは英語に由来する州名をアルファベット順に紹介していきます。

・デラウェア(Delaware)

略称:Del.
愛称:第一番目の州(First State)
州都:ドーバー(Dover)
成立:1787年(第1番目)

州名のデラウェアは、バージニア植民地の初代総督トーマス・ウェスト、ドゥ・ラ・バール卿(Thomas West, Lord de la Warr)、通称デラウェア卿(Lord Delaware)にちなんで命名されました。Delawareはフランス語の「de la Warr(戦いの)」が英語化されたものです。
イギリスからバージニア植民地に向かう船が暴風でたどり着いたのが現在のデラウェア湾です。これが川名、州名へと採用されました。

・ジョージア(Georgia)

略称:Ga.
愛称:南部の帝国の州(Empire State of the South)
州都:アトランタ(Atlanta)
成立:1778年(第4番目)

州名のジョージアは英国の王ジョージ二世にちなんで命名され、Georgeに”-ia”(ラテン語の地名接尾辞)をつけて「ジョージ王の土地」という意味がこめられています。
ちなみにGeorgeはギリシャ語のgeorgosに由来し「農民」という意味があります。

・インディアナ(Indiana)

略称:Ind.
愛称:フーシアーの州(Hoosier State)
フーシアーの語源には、田舎臭い、殴って相手を黙らせる人など諸説あり。
州都:インディアナポリス(Indianapolis)
成立:1816年(第19番目)

州名のインディアナはインディアンが住んでいた土地からとられたもので、英語のIndianにラテン系の女性名詞語尾の”-a”(土地、国)をつけて「インディアンの土地」を意味しています。

・メーン(Maine)

略称:Me.
愛称:松の木の州(Pine Tree State)
州都:オーガスタ(Augusta)
成立:1820年(第23番目)

州名のメーンは17世紀には「本土」を表す言葉はしばしば”the maine”と書かれていましたが、初期の探検家は周辺の島々と区別するために”maine”を本土(mainland)の意味で用い、これが州名となりました。

・メリーランド(Maryland)

略称:Md.
愛称:自由の州(Free State)
州都:アナポリス(Annapolis)
成立:1788年(第7番目)

州名のメリーランドは英国の王チャールズ一世の王妃のアンリエッタ・マリアにちなんでおり、チャールズ一世がラテン語で「マリアの土地」と命名したものが英語化されてMarylandとなりました。

・ニューハンプシャー(New hampshire)

略称:N.H.
愛称:大統領選挙スタートの州(Kick-off State for Presidential)
州都:コンコード(Concord)
成立:1788年(第9番目)

州名のニューハンプシャーはイングランド中南部のハンプシャー州に由来し、これに英語のNew(新しい)を付けたものです。
ジョン・メーソンはジェームズ一世により与えられた領土の一部を1622年、自分の生まれた土地にちなんでthe County of New Hampshire と呼びました。
この名称が国王からも認可され、植民地名、州名として採用されることになりました。

・ニュージャージー(New Jersey)

略称:N.J.
愛称:独立戦争の激戦地(Cockpit of Revolution)
州都:トレントン(Trenton)
成立:1787年(第3番目)

州名のニュージャージーはイギリス海峡のジャージー島に由来し、これに英語のNew(新しい)を付けたものです。

この地域に最初に定住したオランダ人でしたが、イギリスとの戦いに敗れイギリス領となりました。
英国の王チャールズ二世は、この土地を弟のジェームズ、デューク・オブ・ヨーク・アンド・オールバニー(James, Duke of York and Albany)に与えました。
その土地の一部が、清教徒革命のときに王党派としてジャージー島で善戦した功績により、ジョージ・カートレット卿に与えられました。
彼はこの土地を自分の出身地であるジャージー島にちなみ、New をつけてNew Jerseyと名づけました。これが州名の由来です。

・ニューヨーク(New York)

略称:N.Y.
愛称:帝国の州(Empire State)
州都:オールバニー(Albany)
成立:1788年(第11番目)

州名のニューヨークはイングランドのYorkshire(ヨークシャー)に由来し、これに英語のNew(新しい)を付けたものです。チャールズ二世の弟ヨーク公爵(James, Duke of York and Albany)にちなんでいます。ちなみにYorkには「イチイの木」という意味があります。

イギリスは1664年にオランダの植民地を占領し、チャールズ二世はこの地域をヨーク公に与えました。ヨーク公は自らの称号から、ハドソン川の西をアルバニア、東をヨークシャーと命名しましたが、ヨークシャーの名称はのちにニューヨーク(New York)と改めれられました。

・ノースカロライナ(North Carolina)

略称:N.C.
愛称:ターヒールの州(Tar Heel State)
州都:ローリー(Raleigh)
成立:1789年(第12番目)

州名のカロライナは英国の王チャールズ一世にちなんで命名されました。Charlesはドイツ語のCarlに由来しており「人間」という意味がありますが、これに古くから地名に使用される女性ラテン語形が用いられCalolinaになりました。

1629年、チャールズ一世は勅許状でこの地域をCalolanaと呼ぶように命じていましたが、元来この地域はフランス国王シャルル九世を記念してCalolinaとして知られていました。そのためこの地域の名称は、1663年公式にCalolanaからCalolinaに変更されました。
この名称は1712年にCalolinaが分裂した際に、それぞれに方位を表すNorth(北)とSouth(南)をCalolinaにつけて州名としました。

・サウスカロライナ(South Carolina)

略称:S.C.
愛称:米の州(Rice State)
州都:コロンビア(Columbia)
成立:1788年(第8番目)

州名のサウスカロライナの由来は、ノースカロライナを参照してください。

歴史的にみると、サウスカロライナでは1670年イギリスから直接送り込まれた人々が奴隷を使った大農場経営を行いました。
それに対してノースカロライナではバージニアからの移住した貧しい農民による小さな農場が主でした。
カロライナの分裂にはこのような背景がありました。

・バージニア(Virginia)

略称:Va.
愛称:大統領たちの母国(Mother of Presidents)
州都:リッチモンド(Richmond)
成立:1788年(第10番目)

州名のバージニアは、「英国の処女王」(the Virgin of Qeen of England)と呼ばれるエリザベス一世にちなんで命名されました。VirginiaはVirginにラテン形の地名語尾-iaを付けたもので「処女王の国」という意味です。

エリザベス一世の雅号であるVirginiaは、元来、北アメリカに植民したイギリス人が英国領となったすべての領土につけたものでした。その理由として女王を賛美するとともに、新天地の名にふさわしく処女地(virgin land)を連想させるからだと考えられます。

・ウエストバージニア(West Virginia)

略称:W.V.
愛称:アパラチア山脈の州(Appalachian State)
州都:チャールストン(Charleston)
成立:1863年(第35番目)

州名のウエストバージニアはVirginiaに方位を表すwestをつけたもので、「西バージニア」を意味します。
イングランド系の人々が多く住んでいたバージニア東部に対し、西バージニア地方ではスコットランド系の北アイルランドの人々が多数を占めていました。このような民族的背景から南北戦争での対立を機に、1862年西バージニア地方はバージニアから分離独立しました。

・ロードアイランド(Rhode Island)

略称:R.I.
愛称:最小の州(Smallest State)
州都:プロビデンス(Providence)
成立:1790年(第13番目)

州名のロードアイランドの由来については二説あり、一つはギリシャのロードス島にこの島の形がよく似ていたからという説であり、もう一つはこの島が赤い粘土質をしていたためオランダ語のRoodt Eylandt(赤い島)に由来するという説があります。

ロードアイランド州の公式名は”the State of Rhode Island and Providence Plantations”ですが、あまりに長すぎるので省略されてRhode Islandと呼ばれています。
州名のロードアイランドはアメリカで最小の州ですが、このように最長の名前を持っています。
ちなみにロードアイランドとはナガランセット湾に浮かぶ最大の島を、プロビデンスは同州最初の植民地を指してます。

・ワシントン(Washington)

略称:Wash.
愛称:常緑の州(Evergreen State)
州都:オリンピア(Olympia)
成立:1889年(第42番目)

州名のワシントンは初代大統領ジョージ・ワシントンにちなんで命名されました。大統領名を州名とした唯一の州です。
ちなみにワシントンはイギリス系の古い姓で、Wassa(人名)+ing(人々)+-ton(囲い地、村)からなる複合地名姓で「ワサ一族の村」という意味があります。

スペイン語に由来する州名

アメリカ合衆国の州名のうち、スペイン語に由来するものは4州あります。これらの州は南西部からメキシコ湾地方に集中しており、初期のスペインの探検家が足跡を残した地域です。

スペイン語に由来する州名の特徴としては、情緒的で華やかさや詩情に満ちた描写名となっています。そのうえ音的にも響きのよいものとなっています。これは母音が多いことに加えて、必ず母音で終わる構造になっているためと思われます。

・カリフォルニア(California)

略称:Calif.
愛称:黄金の州(Golden State)
州都:サクラメント(Sacramento)
成立:1850年(第31番目)

州名のカリフォルニアは、1500年頃にスペインのガルシア・オルドニェスの書いた空想物語の中にあるCaliforniaという島の名前にちなんでいます。
この物語には「インド諸島の東に、この世の楽園にも似たカリフォルニアと呼ばれる島がある。」と書かれています。またCaliforniaの語源には定説はなく、「熱いかまど」や「独立国」など様々な解釈があります。
歴史的には、カリフォルニアは19世紀の半ばまでスペイン、メキシコの支配地域でしたがメキシコ戦争ののち1848年にアメリカ領となりました。

・コロラド(Colorado)

略称:Colo.
愛称:色とりどりの州(Colorful Colorado)
州都:デンバー(Denver)
成立:1876年(第38番目)

州名のコロラドは「赤い色の」、「赤く染まった」の意味があるスペイン語のcoloradoに由来しています。
スペインの探検家が川名としてRio Colorado(赤い色の川)と命名していたものを州名に転用したもので、川の水の色が燃えるように赤かったことを表した描写名といえます。
歴史的には、1706年スペインがこの地域をスペイン領と宣言しました。州の東部が1803年ルイジアナ買収により、残りの地域は1848年メキシコからの割譲によりアメリカ領となりました。

・フロリダ(Florida)

略称:Fla.
愛称:花の州(Flower State)
州都:タラハシー(Tallahassee)
成立:1845年(第27番目)

州名のフロリダは「花いっぱいの」を意味するスペイン語に由来しており、スペインの探検家ファン・ポンセ・デ・レオンにより1513年の4月2日に命名されました。
彼がはじめてこの地に着いた4月2日はこの地はたくさんの花で覆われていました。そして4月2日は復活祭(花の祭り、pasqua florida)の時期であったことがフロリダと命名された理由となっています。
フロリダの歴史は1513年スペイン人の上陸にはじまり1762年までスペインの統治下にありました。そののち複雑な経緯をたどり最終的には、1819年フロリダはスペインからアメリカに割譲されました 。

・ネバダ(Nevada)

略称:Nev.
愛称:銀の州(Silver State)
州都:カーソン・シティ(Carson City)
成立:1864年(第36番目)

州名のネバダはカリフォルニア州との州境にある山脈シエラ・ネバダ(Sierra Nevada)が短縮されたものであり、元来スペインにあるSierra Nevada山脈にちなんで命名されました。
スペイン語のsierraは「山脈」を、nevadaは「雪を頂く」を意味する語で、シエラ・ネバダは「雪を頂く山脈」という意味になります。1848年ネバダはメキシコ戦争の終結にともないアメリカ領となりました。

フランス語に由来する州名

フランス語に由来する州名は少なく、ルイジアナ州とバーモント州のみとなっています。

・ルイジアナ(Louisiana)

略称:La.
愛称:クリオールの州(Creole State)
州都:バトン・ルージュ(Baton Rouge)
成立:1812年(第18番目)

州名のルイジアナはフランス王ルイ14世にちなんで命名されました。1682年フランスの探検家ラ・サールは五大湖からミシシッピー川の河口までその流域全体をフランス領と宣言しルイジアンヌ(Louisiane:ルイのもの)と命名しました。
1762年ルイジアンヌはフランスからスペインに割譲され、綴りはスペイン語風に変えられLuisianaとなりました。そして1803年アメリカ領となりフランス語とスペイン語がミックスされた現在の州名となりました。
ちなみにLouis(ルイ)はゲルマン系のLudwig(名声+戦い)という意味がある語のフランス形で、中世以来フランス貴族の家柄では世襲の名前によく用いられていました。

・バーモント(Vermont)

略称:Vt.
愛称:緑の山の州(Green Mountain State)
州都:モントペリア(Montpelier)
成立:1791年(第14番目)

州名のバーモントはフランス語で「緑の山」を意味する”モンベール”「mont(山)+vert(緑の)」に由来しており、この地域が緑の低い森林に囲まれた丘陵地帯であることがら命名されました。
英語では、この語順が逆になりvertのtも無くなり発音もバーモント(vermont)と変化しています。
歴史的には、この地域は1609年探検家シャンブランがフランスの領土と宣言してから150年近くフランス領でしたが、1724年イギリスの植民地となりました。

ラテン語に由来する州名

ラテン語に由来する州名は少なく、モンタナ州とペンシルバニア州のみとなっています。どちらも地理的特徴を表す描写名ですが、たいへん音の響きのよいものとなっています。

・モンタナ(Montana)

略称:Mont.
愛称:宝の州(Treasure State)
州都:ヘレナ(Helena)
成立:1889年(第41番目)

州名のモンタナは「山の多い地方」を意味するラテン語のmontanaに由来しています。モンタナの州名が意味するように大自然に恵まれ、氷河国立公園やイエローストーン国立公園には全米から多くの観光客が訪れています。
歴史的には、モンタナ東部は1803年のルイジアナ購入により、そしてモンタナ西部は1846年イギリスとのオレゴン協定によりアメリカ領となりました。

・ペンシルバニア(Pennsylvania)

略称:Pa.  Penn.
愛称:要石の州(Keystone State)
州都:ハリスバーグ(Harrisburg)
成立:1787年(第2番目)

州名のペンシルバニアは、ウィリアム・ペン(William Penn)のPennにラテン語のsilva(森)と地名接尾辞の-ia(~の国)が合成されたもので、「ペンの森の国」を意味しています。

英国の王チャールズ二世は、ウィリアムペン(William Penn)提督に対する負債返済と非国教会派の国外追放の意図から1681年、新大陸の土地4,800平方マイルの開拓許可を与えました。
ペンは植民地がウェールズのように起伏に富んでいたためNew Walesと命名したかったのですが、許可されませんでした。
そのためSylvania「森の国」を再提案したところ、国王はペンがクエーカー教徒として特定の人物を記念することを嫌っていたにもかかわらず、これにPennをつけてPennsylvaniaとしました。

ハワイ語(ポリネシア語)に由来する州名

・ハワイ(Hawaii)

略称:Haw.
愛称:アロハの州(Aloha State)
州都:ホノルル(Honolulu)
成立:1959年(第50番目)

州名のハワイはハワイ島にちなんで命名されましたが、原義と由来については不明です。一説によれば、ハワイに移住してきたポリネシア人たちの伝説の故郷であるHawaiiまたはHawaikiにちなんでいるといわれています。
歴史的には、ハワイの島々は1778年キャプテン・クックにより発見されましたが、彼のパトロンであったサンドイッチ伯爵を記念してサンドイッチ諸島と命名されました。1795年ハワイ島のカメハメハ王が全諸島を統一しましたが、1898年アメリカに統合されました。

アメリカ各州の成立に関連した年表

 

ここではアメリカ発見から各州の成立にいたる経緯を視点にして、アメリカの歴史を関連する年表で紹介しています。

・1492年 コロンブスが西インド諸島に到達

・1498年 イギリスが北米大陸の東海岸をニューイングランド植民地とする

・1519-1821年 スペインが南西部とフロリダをニュースペイン植民地とする

・1534-1803年 フランスがセントローレンス川流域をカナダ植民地とする

・1614-1674年 オランダが北アメリカ東海岸にニューネーデルラント植民地を建設

・1620年 イギリスの清教徒がメイフラワー号でアメリカに移住

・1622-1890年 インディアン戦争( 白人入植者とインディアンの争い)

・1638-1655年 スウェーデンがデラウェア川沿いにニュースウェーデン植民地を建設

・1655年 ニューネーデルラント植民地がニュースウェーデン植民地を併合

・1674年 ニューネーデルラント植民地がイギリス領となる

・1702年-1713年 アン女王戦争(イギリス vs フランス・スペイン連合の戦い)

・1755-1763年 フレンチ・インディアン戦争(イギリス vs フランス・スペイン連合の戦い)

・1775-1783年 独立戦争(イギリスとアメリカ東部沿岸13植民地の戦争)

・1803年 フランスからルイジアナを購入

・1812-15年 米英戦争 (アメリカが勝利)

・1819年 スペインからフロリダ半島を購入

・1846年 オレゴン境界紛争(アメリカ西北部を併合)

・1846-48年 アメリカ・メキシコ戦争 アメリカ西部をメキシコから割譲

・1853年 メキシコからアメリカ西南部を購入

・1861年 アメリカ南部の11州が独立しアメリカ連合国へ

・1861-1865年 南北戦争

・1867年 ロシアからアラスカを購入

・1898年 ハワイを併合

【ルイジアナ購入】

1803年アメリカがフランスからミシシッピ川とロッキー山脈の間の広大なルイジアナ地方をフランスから1500万ドルで購入した出来事。
現在のアイオワ、アーカンソー、オクラホマ、カンザス、コロラド、サウスダコタ、テキサス、ニューメキシコ、ネブラスカ、ノースダコタ、ミズーリ、ミネソタ、モンタナ、ルイジアナ、ワイオミングの15州にまたがっています。

1802年、第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソンは、ミシシッピ川の河口に位置し物流の拠点として重要なフランス領ニューオーリンズの買収を提案しました。
これを受けフランスのナポレオンは、黒人革命によるルイジアナ植民地の破綻とイギリスとの敵対関係のため、ルイジアナ全域をわずか1500万ドルでアメリカに売却しました。
こうしてアメリカ合衆国の領土は中西部に拡大し西部発展のきっかけとなりました。

参考文献:「アメリカ地名語源辞典」(木村正史 編著 株式会社東京堂出版 )、ウィキペディアほか

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